なにはともあれアウトプット!

どうしても苦手意識が抜けないあなたへ英語学習

こんにちは,会議通訳のあひるです。改めて,あなたが英語ができるようになりたい理由はなんですか?旅行に行きたい,英語で仕事がしたい(もしくは必要),海外の友だちと会話したい・・・。

私は海外経験もなく社会人になってから英語を学習しました。その経験を振り返って,目的がなんであれ,初学者には何よりも先に今自分が考えていることを英語で表現する,アウトプットの練習をお勧めしています。

理由はただひとつ,あなたが日本語でも言わないことは英語でも絶対に言わないから。今日はその理由をお話しします。

モチベーション維持に大切なこと

英語学習は一定の時間がかかります。そのモチベーション継続の最大の秘訣は,初期に短期集中で一定の成果をあげて達成感と成功体験をしっかり味わい,『やればできる!』と心から信じ込むこと。

コツは根性論に持ち込まないことです。人は『やればできる』と思い込めれば頑張れます。そのためには初期にやるべきことを正しく絞る,つまり選択と集中がとても大事です。

最速で効果を実感するためにはまず,兎にも角にも日々考えていること,話していることを片っ端から英語にし,発信練習をすること

わからない英文法から始めるのではなく,あなたの考えを英語にすることです。参考書の例文から始めるのではなく,あなたの考えを英語にすることです。わからない単語を見つけて落ち込むのではなく,あなたの考えを英語にすることです。

初学者であれば,思考を英語にする過程でわからない英文法や覚えるべき表現も出てくるでしょう。その時に取り組めばいいのです。つまりテキストが先ではありません。とにかく順番を間違えないことです。

初学者の当面の目標は『自分が考えていることをひととおり英語で言えるようになる』です。

日本語で言わないことは英語でも言わない

なぜアウトプットなのか。ここで実際に英語を使う場面を考えてみましょう。

仮にあなたの職業がマーケティングで,外国人との共同プロジェクトに参画するとします。商品企画であれ販売促進であれ,チームメンバーと方向性を決め,実行に必要な内容を日々討議します。

その際,チームメンバーが日本人か外国人かであなたがよいと考える販売戦略は変わりますか?変わらないですよね?

プロジェクトが始まれば,あなたは何故その方針が優れていると思うのか,日々討議していきます。今あなたが日本語で考えて伝えていることは,英語でも間違いなく伝えることになります。ですから,まずはそれを表現できるようにしましょう。

『質問やコメントが聞き取れないからリスニングもしなくては』と思うかもしれません。リスニングについてはまた別途詳しく書きますが,おそらくマーケティングという共通の話である以上,自分の考えを英語にまとめていく過程で必要な語彙や表現はほぼ網羅されると思います。競合だとか市場動向だとか販促ツールだとか。

ですから,この段階では聞き取り(相手からの質問・コメント)を心配するより,むしろあなたの意見を更に広く深く,より詳しく説明できるよう準備することを勧めます。

例えば自分の意見を見直して,『この点について質問がきたらどうしようか』などと相手の反応を予測し,しっかり筋道立てて答えられるように準備しておくと,さらに一歩踏み込めます。

仮に英語学習の動機が外国人の友だちと仲良くなりたい,だったとしましょう。食事やお出かけする中で,あなたはどんなことを話しますか?お友だちですから,いろいろと聞いてほしいこともあるでしょう。仕事/学校の話,趣味の話,恋人の話,時に旦那の愚痴・・・。

その時,相手の国籍によってあなたの想いは変わりますか?変わらないですよね?

相手が日本人であれ外国人であれ,キャリアに不安があれば人生相談になるでしょうし,素敵な恋人とつきあい始めたばかりであればのろけたくなるでしょう。今あなたが日々日本語で考えて伝えていることは,英語でも間違いなく伝えることになります。ですから,まずはそれを表現できるようにしましょう。

海外のお友だちにその国のことを教えてほしい,という場合も同じです。そういった場で知り合う相手は,きっと日本のことに興味があり,聞かれるでしょう。どうして日本では〇〇なの?云々。

こういう時に求められるのはテキストに載っているような表現ではなく,日本人であるあなたがいつも考えていることです。ですから,まずはそれを表現できるようにしましょう。

如何でしょうか?自分が英語を話している姿をしっかり具体的にイメージしてみてください。英語が話せるようになったからとて自分が普段考えてもいないことを言う,なんて事はないのではないでしょうか。

だからこそ,初学者の当面の目標として『自分が考えていることをひととおり英語で言えるようになる』をお勧めしています。

よりよく英語を身につけるために

このようなことを言うと,『英語で話すだけの文法/単語/語法を知らない』と思うでしょう。実際,英語にしようとすると悩むと思うんです。『あれ,ここの時制は?』『ここでピッタリの表現は?』『こんな言い方でいいの?』と。

しかし私は,アウトプットありきで考えてこそ,単語や文法がより身につくと感じています。

誤解のないよう申し上げますが,やはり英語を学ぶ以上,最低限の文法や表現は覚えなければいけません。テキストも音声教材も勉強も勉強時間も反復も継続のコツも必要です。

しかしこの忙しい日々,『なんとなく英語ができるようになりたい』だけでそれができるでしょうか。私は何度も挫折しました。『こういうことを言いたい!』という心から伝えたいメッセージがあり,『この言い方は明日からすぐ使える!』,こういうモチベーションを生かしてほしいのです。

やはり目的がハッキリしていると,身につき方が違うと感じます。どんな話をするにも必要な文法事項は同じです。『マーケティングの話をする時だけ必要な文法』とか『キャリア相談をする時だけ必要になる文法』なんてありません。

だからこそ基礎の基礎をカバーする段階では,まず自分が確実にわかることを確実に言えるよう集中したらいいと思うのです。その過程で,文法や語彙なども調べていくことになります。そしてある程度身につき,やればできるんだ!という自信,そして英語の楽しさを実感できたところで,次の段階の向かえばいいと思うのです。

次の扉,を開く前に

ちなみに,この『自分が考えていることを英語で伝える』練習をある程度進めたら,聞き取りなども始めていくことになります。しかし,リスニングについても別途詳しく書きますが,英語を聞いて理解するための大前提は『日本語で同じ内容を聞いたらしっかりわかる』です。

だからこそ,まず自分が完全に理解している内容から始めることをお勧めしています。自分が完全に理解している内容さえ英語にできないうちにリスニングをしても,聞き取れないのが純粋な英語力のせいなのか知識の問題なのか判断できません。初学者はまず,『自分の考えていること』を表現できるよう努めましょう。

次回以降,この『自分の考えを英語にする』ための具体的な方法を書いてきます。一緒に頑張りましょう, Bon Voyage!