英語が苦手なあなたへ:英文法を最速で攻略しよう【2.テキスト選び編】

どうしても苦手意識が抜けないあなたへ英語学習

こんにちは。会議通訳のあひるです。前回は英文法攻略のヒントをお伝えしましたが,如何でしたか?今回は実際に使うテキストの選び方です。

私は海外経験もなく社会人になってから英語を学習したので,あらゆるものを試してきました。今回に限らず,このブログで紹介するのはその中でもオススメできるもの,実際に効いたものばかりです。

テキストの選び方

前回,文法攻略には

①まず薄くて読みやすく,基礎から全体を解説してくれる文法書で全体像を把握し,

ある程度疑問が出てきたら

②不明点を解消してくれるようなテキストを選んで都度参照していく

という方法をオススメしました。ここでは①で使うテキストを基本テキスト②で使うテキストを参照用テキストと呼びます。以下,それぞれを選ぶヒントをご紹介します。

基本テキストの選び方

最も重要なのは自分が継続できるもの,つまり自分にとって読みやすいものです。あくまでそこを最重視して頂きつつ,ご参考までに私自身の選択基準をお伝えします。まずは基本テキストの選び方から。

基本テキストにオススメのもの

全範囲をカバーしていながら,とにかく薄くて軽くて読みやすいもの

基本テキストとしては避けたほうがいいもの

①特定の範囲に絞っているもの

たとえば『中学英語』,大学受験でも『共通テスト向け』『中堅大学向け』『難関大学向け』など。恣意的に内容を選択されているからです。ただし高校卒業時点で英文法の基礎は網羅しますから,総合的な『大学入試対策』であれば問題ありません。

②問題演習が多すぎるもの

これは例えばTOEIC対策などでは有効なのですが,今の目的『ザッと読んで全体を把握する』には途中で流れを阻害されがちです。こういったものは次期以降に取組むのも一案です。

参照用テキストの選び方

これに対して参照用テキストは,ある程度疑問が出てきたところで,自分がよくわからなかった項目を実際に読み比べて選んでください。自分によって読みやすい,続けられるテキストがわかります。

あひるのオススメテキスト6選+1

基本テキスト

① 安河内の英語をはじめからていねいに

私が学習していた当時,東進ブックスの『安河内の英語をはじめからていねいに』を使っていました。当時は2分冊でもう少し分量がありましたが今は【完全版】として1冊になりましたね。さらに内容が削ぎ落とされてスリムになった印象です。

細かい表現などはあまり網羅されていませんが,本当に英文法の基礎の基礎,いわゆる『英語のルール』に特化したい方にオススメの一冊です。

② 大岩のいちばんはじめの英文法

同じ東進ブックスの本書も使いやすいです。本当に必要な内容に絞りつつも解説はしっかりしていて理解しやすい

2分冊なのですが,1冊目の超基礎文法編を頭に入れた後,2冊目(英語長文編)1章,読解で知っておきたい知識が独立してまとまっているところが特に使いやすいです。

一般的に私は問題演習は特にお勧めしないのですが,本書はある程度全体像が見えてきたら取り組んでみてもいいかもしれません。問題自体云々ではなく,ひとえに解説が読み物としてわかりやすいから。

英文法の基本と使い方をバランス良くカバーしたい方にオススメです。

基本テキストと参照用テキストの間

③ ダイジュ先生のたった10時間で英文法

これ,わかりやすいですね。実はこれ,この記事のために最新版をチェックしようと書店に行って,『なにこれ知らない!』という嬉しい驚き,いちばんのお宝発見となった一冊です。奥付をみたら2024年8月刊行とのこと。当然購入しましたが,自分が勉強中にほしかったです,本当に。

内容はあまり深入りしすぎず,しかし必要なところは豊富な例とともにしっかり解説し,そしてこれだけのボリュームなのに『読み続けられる』ためのあらゆる工夫を感じるのがすごいです。実際の内容も,確かにここが押さえられたら良い!

タイトルの『10時間』はテキスト講義動画の長さです。読みやすいとはいえ500ページ超えの大作なので基本テキストにするには迷うのですが,内容が良いので取り上げました。

まず動画を見てから読み進める,など工夫することで挫折を避けられそうであれば基本テキストに,挫折しそうであれば参照用に,使い方はそれぞれですがオススメの一冊です。

参照用テキスト

ここからは基本をある程度カバーした後,疑問を都度参照していくのに適しているものを紹介します。

④ Grammar in Use, マーフィーのケンブリッジ英文法シリーズ

世界中で売れている・使われている英文法の本ですが,やはり素晴らしいです。

文字どおり,英語を話すために必要なことが全て載っている実用書です。『実用書』と書いたのは,全ては『どのように使うか』に焦点が当てられていて,とにかく使える表現を練習したい方にオススメです。

英語版のほかに日本語訳版も出ています。英語版はアメリカ英語とイギリス英語,それぞれに初級,中級,上級(イギリス英語のみ)の計5冊,日本語訳されているのはアメリカ英語版の初級,中級の2冊です。

この本の良さは,とにかく中級レベルの紛らわしい表現の使い分けにあります。細かい理論的解説はさておき,be goingとwillはそれぞれどう使うのか,doing と to doはそれぞれどう使うのかなど。そのため個人的なオススメは中級です。

確か,はじめに出版されたものが現在の中級版かと思います。そういった意味でも,いわゆる『標準レベル』を想定しているのが中級かと思います。

また,元がケンブリッジ大学出版局,イギリス英語版がオリジナルであるためイギリス英語版の方が充実しているのですが(上級編があるのはイギリス英語版のみです),日本の標準的な義務教育はアメリカ英語を基礎としています。特にこだわりがなければアメリカ英語版の中級が第一選択かと思います。

これ,シリーズが多いことに加えて各項目の演習問題も豊富です。内容はとても素晴らしい反面,冒頭から順に取り組もうとすると途中で嫌にもなりますよね。

ですので辞書的な使い方がオススメです。1項目が見開き2ページで完結するので,わからない項目が出てきたら都度該当項目を学習していき,ある程度カバーできた段階で必要があれば残りに取り組む,そんな使い方がオススメです。

とはいえやはり,テキストって手をつけていないところがあるとやらなきゃいけない義務感のような罪悪感のような気分が出てくるんですよね。私はわからないことがあると,都度その項目(見開き2ページ)をコピーし,学習し,順にファイリングして持ち歩き,復習していました。

そうするとやっていないところが無駄に気にならないし(既に知っている内容をあえてやる必要はありません),何より自分にとって重要度の高いものから順に出てくる参考書のようになり,大変オススメです。

⑤ 表現のための実践ロイヤル英文法

各項目の解説も例文も豊富で内容としては申し分ないものです。充実した内容でしっかり理解したい方にオススメの一冊です。

ただし初心者には少しハードルが高いかもしれません。その場合は上で紹介した『ダイジュ先生のたった10時間で英文法』を参照用テキストとして活用し,物足りなくなった時点で改めて本書を検討してもいいかもしれません。

やはり自分がいちばん理解しやすい,レベルにあったものを選ぶことが一番大事です。それが一番の近道です。

本書はあくまで辞書的に使うのに適しています。すべてを満遍なくマスターしようとするのは『最短で英語運用力を身につける』という点ではベストではないかもしれません。将来時間ができたらどうぞ。

⑥ 総合英語Evergreen

『総合英語Forest』が2022年11月に新しくなったものです。従来高校の指定参考書などにもよく使われているもので,必要なことは網羅しつつ深入りしすぎず,王道の内容を高校生向けに解説するものです。

王道,定番を求める方にすごくオススメです。

【番外編】超短期・試験対策文法問題集

番外編としてもう一冊。『18歳のススメ』の記事の中で,少し集中して特定の分野に取り組みたい時,薄くてすぐ終わる資格試験対策問題集に取り組むことをオススメしました。

まさにこういった使い方をするのにオススメ文法テキストを1冊,最後にご紹介させてください。

TOEIC(R) L&Rテスト 英文法 出るとこだけ!

これも昔々使っていたのですが,改めて最新刊版を見ると間違いやすいポイントが本当にスッキリまとまっていますね。

文法事項は『知っている』と『反射的に出てくる』は大きく違います。本書はやれ『動詞の前は必ず副詞!』とか『形容詞の前も必ず副詞!』とかをひたすら演習していくのですが,それにより普段英語を書く・話す時のチェックポイントとして活かせるのがオススメポイント。

基本テキストで理屈はカバーしつつ,身体で覚えないといけない部分はこういうものを使うのも一案です。

如何でしょう,参考になりましたか?少しでも『やってみよう!』と思うものがあれば,ぜひ書店に足を運んで手に取ってみてください。

自分に負担なく,読みやすく続けられるものを選ぶことが成功への第一歩です。一緒に頑張りましょう, Bon Voyage!