初心者のための洋書案内【Grated Readers】England, the US:Macmillan Readers 4

初心者のための洋書案内:Grated Readers

こんにちは。会議通訳のあひるです。洋書,はじめはハードル高いですよね。

私も元々英語は苦手だったので,いろいろなものを試してきました。その中から定期的に,初心者にも読みやすくて面白い書籍をご紹介しています。すべて私自身も読んできたものです。

England, the United States

前回このシリーズでOxford Bookworms Libraryのニューヨーク,ロンドン,イングランドをご紹介しましたが,Macmillan Readersからも楽しいイギリス案内・アメリカ案内が出ています。

Oxford版が『観光客向けの旅行案内』なのに対し,こちらはより『イギリスの生活』『アメリカの生活』がわかる構成。いわゆる旅行案内からもう一歩踏み込みたい!という方に,とてもおすすめです。

レベル感

このMacmillan Readers 4 (pre-intermediate:初中級)はCEFR A2-B1,使用されている語彙レベルは1,400語程度, 1冊あたり80-96ページ,総語数の平均は15,000語程度と紹介されています。

2020年度までの学習指導要領では,中学卒業時までに学ぶ語彙数が1200語程度でした。2021年度より小学校600~700語と中学校1,600~1,800語で,中学校卒業までの合計が2200~2500語となっています。

そのため,語彙については2020年までに中学校を卒業された方なら高校1年生程度,それ以降の方なら中学校1,2年生程度と感じるかと思います。

おすすめポイント

前回ご紹介したOxfordのシリーズからは語彙・レベルが一歩上がるだけあって,かなりしっかりとした内容。Grated Readersとは思えない読み応えでありながら専門書ほど読みにくくはなく,すごくいいバランスで『イギリスの常識がわかる一冊』『アメリカの常識がわかる一冊』となっています。

それぞれ国の歴史,伝統行事,代表的な都市と見どころ,自然や気候,日常生活,スポーツ,エンタメ,有名人,そして国の将来・・・とカバーしているのですが,どれも意外と(?)細かくて情報満載。

全般的に,ちょっとしたコラムが充実しているのがイギリス版,データが充実しているのがアメリカ版。確かにOxford版に比べてレベルは上がるものの,こちらも気になるところ,興味のあるところだけをピックアップして読んでも充分楽しめるところが初心者にも読みやすい理由です。そしてどちらも写真が豊富!見ていてとても楽しいです。

ちなみに,どちらも『日常生活』はほぼほぼ『学校生活』。対象読者の想定がそのくらいの年齢なのかもしれません。しかし,留学経験でもないとなかなかその国の教育制度なんてわからないのではないでしょうか。

学習が進んで,英語の本や新聞などいわゆる『普通のメディア』を読み始めると,結構こういう常識が前提にあったりします。でも,たとえばアメリカのティーンネイジャーのバイト事情なんて,海外経験がないと正直わからないですよね。

現地に住んでいれば当然みんなが知っている歴史,ハロウィンやサンクスギビングの過ごし方,有名人。こういうことも,知らないと本にしてもドラマにしても時々『ん?』と思うことがあります。

私は海外経験もないまま社会人になって英語を勉強したので,この辺の『イギリス人の常識』『アメリカ人の常識』は楽しいだけでなく,本当に,本当に役に立ちました。

そういった意味で,本格的に洋書を読み始める導入にもとてもおすすめ。鮮やかな写真が楽しいばかりでなく,実にためになるシリーズです。

このおすすめ洋書,定期的にご紹介しています。ぜひ他にも見てみてください。少しでもお役に立てたら嬉しいです。一緒に頑張りましょう,Bon Voyage!