こんにちは。会議通訳のあひるです。洋書,はじめはハードル高いですよね。
私も元々英語は苦手だったので,いろいろなものを試してきました。その中から定期的に,初心者にも読みやすくて面白い書籍をご紹介しています。すべて私自身も読んできたものです。
Climate Change
今回おすすめするのは,Climate Change(気候変動)。
いわゆる学習者用教材を超えて本格的な洋書や新聞記事を読もうとする時,実は(英語力より)知識がハードルになっていることがあります。
日本語であいまいに『わかったつもり』になっていたものが,英語になって負荷がかかると一気に炙り出されてくる,というパターンです。
そんな時有効なのが科学系Grated Readers。
特にこの気候変動のように,時事・ニュースによく出てくる内容をGrated Readersで一度読んでおくのは本当におすすめです。
今後本格的に洋書,時事ニュースを読む時に一気に効いてきます。
レベル感
このOxford Bookworms LibraryのStage2,公式サイトではCEFR A2-B1,使用されている語彙レベルは700語程度, 1冊あたりの総語数の平均は6,500語程度と紹介されています。
このClimate Changeの総語数は7,151語です。
2020年度までの学習指導要領では,中学校で学ぶ語彙数は1年生で500語程,2年生で400語程,3年生で300語程で総計1,200語でした。
語彙については2020年までに中学校を卒業された方なら中学校2年生程度と感じるかと思います。
なお,2021年度以降の新学習指導要領では小学校で600~700語となりました。
現行カリキュラムで学んでいると,中学入学程度と感じるかと思います。
おすすめポイント
なによりおすすめなのが,気候の『しくみ』を基本から解説してくれていること。
気候変動は大きなトピックですから,本格的に海外の新聞やニュースを読もうとすると決して避けては通れない話題です。
そういったことを,平易な英語で,さらに内容もわかりやすく書かれているのはとても貴重です。
このGrated Readers,『英語の』初心者向け,という点にばかり目が行きがちです。
しかし,これはあくまでいろいろ読んできた私個人の感想ですが,おそらくこのシリーズは『英語を第二言語とする,高等教育を受けている世界中の中高生』あたりを対象に書かれているように感じます。
つまり,単に英語が易しいだけでなく,そもそも内容が(仮に日本語で書かれていたとしても)とてもわかりやすいです。
テーマが気候変動ですから,読み始めは確かにどうしても避けては通れない表現,たとえばoxgen(酸素),nitrogen(窒素),Mars(火星),greenhouse(温室),greenhouse effect(温室効果),greenhouse gas(温室効果ガス)等々出てきます。
しかし(おそらく)中高生くらいを想定して書かれているので,わかりにくい箇所についてはしっかりとイラストや写真で解説されています。
たとえば,昔の二酸化炭素量を測定するにはice fore(氷床コア)と呼ばれる氷の試料を使います。
しかしこれ,内容に馴染みがないと,いくら平易な英語とはいえ『ん?』と思うこともあるのではないでしょうか。
こういう要所は,ひとつひとつ写真やイラストでしっかり解説してくれているのが嬉しいところ。
元々このシリーズは写真やイラストが豊富ですが,それがこういった科学系のトピックでは大きな効果を発揮します。
いわゆる本格的な洋書や英字新聞ではなかなかないですよね。
この気候変動は,事実やデータとともにしくみ,たとえば何故二酸化炭素が増えると温暖化が進むのか,そういった点もしっかり解説されています。
本格的な英文読書・ニュースを始める前に,ぜひおすすめしたい1冊です。
如何でしたか?このおすすめ洋書,定期的にご紹介しています。ぜひ他にも見てみてください。少しでもお役に立てたら嬉しいです。一緒に頑張りましょう,Bon Voyage!