こんにちは。会議通訳のあひるです。あけましておめでとうございます。
新たな年を迎え,今年こそはと色々目標を立てている方も多いのではないでしょうか。そんな方へ,今日はそのモチベーションをうまく活かすコツについてお話したいと思います。
英語は継続が命,ではあるけれど
英語学習は毎日続けるのが効果的だと言われます。まったくの真実です。しかし現実は難しい。人間ですから疲れている日もあれば嫌なことがあって腐っている日もあるでしょう。
そんな時に有効なのが,『とにかくハードル低くこなせるもの』を『習慣化しておく』こと。中でも学習効率を考えた時に特に効くのが『学習の濃淡を意識して計画に組み込んでおく』ことです。それにより,モチベーション最大時の成果をうまく活用できるからです。
学習の濃淡を意識する
以下の記事で詳述しましたが,私は基本的にひとつの教材がナチュラルスピードで理解できるようになるまでは同じ教材を繰り返すのが効果的だと考えています。そして初心者の場合,一番時間がかかるのはナチュラルスピードで英文を解釈する,そのプロセスを身体で覚えるところかと思います。
読むにせよ聞くにせよ,初めて取り組む英文の文法や表現を理解し,わからないところがあればしっかり調べて構造を理解する。これはどこかで集中して取り組む必要がありますが,一度やれば済むものです。それより『一度学習したものを何度も聞き直し,ナチュラルスピードで頭に意味が浮かぶようになるまで繰り返す』,『一度学習したものを何度も読み直し,自然な速度で頭から意味を取れるようになるまで繰り返す』。おそらく,ここに一番時間がかかるのではないでしょうか。
しかしこういうもの,つまり一度こなしたものは,スマホに音さえ入っていれば,もしくは文章さえ手元にあれば,頑張って自分をお勉強モードに持って行かなくてもいつでもできます。リスニングなら再生ボタンを押せば開始。それでいて,この積み重ねが結局,英語力には一番効きます。『理解して終わり』だけでは,英文解釈のスピード自体は結局上がらないためです。このような『負担なく取り組めるけれど,積み重ねがじわじわと効いてくること』。そういったものをうまく学習に織り込んでおくと,継続するしくみとなってじわじわと効いてきます。
モチベーションを最大限活かすしくみ
さて,今日の本題。新たな年を迎えた今,『今年こそやるぞ!』と決意を新たにしている方も多いのではないでしょうか。また,『去年も決意したけれど結局続かなかったな』,なんて方も。いずれにせよ,このモチベーション最大の時にできるところまで進めてください。そして来週から日常が始まったら難しい事は考えず,とにかく学習したものを常に持ち歩いてください。
たとえば『今月は英文を12本読もう』と思った場合。つい『週に3本だから2日で1本』,などと計画しがちです。もちろん続けられればいいですが,難しいこともある。そんな時はモチベーション全開の時に,とにかく出来るところまで進めます。腰を据えて新しい素材を開き,読み始めます。わからない表現があれば調べ,構文をしっかり理解する。この集中力を要するところを一気に片付けます。
そして平日。忙しい時は気負いすぎず,ここまで出来たものをとにかく持ち歩きましょう。そして暇があれば繰り返し読みます(聞きます)。一度集中してやったものですから内容は把握しているはず。知らない表現などに惑わされることなく,いつでもどこでも出来ます。そして,『既に内容を理解しているものをひたすら読み直し(聞き直し),スピードに慣れる練習』に使います。繰り返しますが,『理解して終わり』では結局英文解釈のスピードが上がらないので,十分な学習効果は得られません。
ご自身の生活や性格にあった形でうまくこのサイクルが作れると,まず復習が続くのでモチベーション全開の時に学習した内容を忘れることがありません(学習をやめてしまうと,やったことも忘れてしまうのが何よりもったいない!)。そしてまとめて取り組んだ成果を核に,負担なく,しかし最も重要な『繰り返し』にうまく集中出来ます。そう,この『学習の濃淡を意識する』というのは,ある意味『モチベーション最大時の成果を貯金のように活用するしくみ』なのです。
さらに学習が進んでくると,『淡』く出来るレベルも変わってきます。始めのうちは,一度学習して内容がわかっているものでないと『軽く』こなす事は難しいかもしれません。しかし徐々に英語力自体が上がってくると,空き時間にちょっと新しい表現を学べるようになったり,新しい記事を読めるようになったり,できることの幅が広がります。重要なのは,常に『今の自分が負担なくでき,かつ効果のあること』を意識しておくこと。この濃淡を意識することが,うまく継続するしくみとなります。
そしてこれは,『平日にあまり勉強時間を確保できない』場合などにも応用できます。英語学習の基本は毎日ですが現実は難しい。それを濃淡をつけることで可能にします。平日がどうしても難しいなら,週末にまとめて『濃』の学習をし,平日に『淡』を繰り返す。そして自分のペースで,平日にも少しづつ『濃』の時間を作っていく。それだけでもかなり成果が変わります。私が仕事をしながら英語を学習していた時はどうしても夜が難しく,朝の始業前が集中して『濃』,そして仕事のちょっとした空き時間や夕刻以降はひたすら『淡』,でした。
如何でしょうか。新しい年,それぞれよ誓いとともに,ぜひ実りある一年になりますように。今年も一緒に頑張りましょう,Bon Voyage!