こんにちは。会議通訳のあひるです。
外国語を学習していると,『先生を探したい』『講座を受けてみようか』と思うこと,ありますよね。今日は英語に限らず外国語スクール全般について,そして独学かスクールかを迷った時の考え方についてお話します。
なお,今日はカリキュラムありきの講座やレッスンです。マンツーマンレッスンは次回お話します。
外国語スクール活用の原則
まず,当たり前ですが忘れがちな,とても重要なことを申し上げます。
どんなにいい教材も,どんなにいいスクールも,日々現実に時間をとって学習し,復習し,身につけるのはあなた自身です。至極当たり前なのですが,昨今(特に英語教材の)広告があまりによく出来ているので,あたかも学校に行きさえすれば,教材を申し込みさえすれば,ペラペラ話せるようになりそうです。
これは私自身の深い反省,苦い経験も多分にこめて繰り返したいのですが,どんな学校に行っても最後に勉強するのはあなた自身。スクールは,実際に学習する姿をしっかりイメージしながら検討してください。
独学かスクールか,迷った時は
あひるのオススメは,いいなと思うスクールがあったらまず教材だけを購入し,はじめの数回分ほど自分でやってみること。音声も手に入るようでしたらぜひ併せて購入しましょう。申し込む前に予習を始めてみるイメージです。マンツーマンレッスンであっても,特定のテキスト・カリキュラムに沿って授業が行われる場合は同様です。
受講するならいずれ買い,自分で学ぶことになる教材です。決して無駄にはなりません。まずやってみて,無理なく続きそうな内容であること,効果がありそうであるのとが感じられたら申し込めばいいのです。
逆にやってみたら『コレは講座とっても多分やらないな・・・』と事前に気づけば無駄な出費を抑えられます。テキストなら数千円ですが,講座は数万円,ものによっては数十万円です。これを事前に判断できるのは大変有益です。
さらに重要なのが,熱を冷まし冷静な判断ができること。
広告を見てカリキュラムを見ている時は,計画どおり進んでいる自分ばかりイメージしがちです。しかしいったん冷静になり,実際のテキストを広げ,(どんな学校に行こうが先生につこうが)開講したらこれを自分がマスターしないといけないんだな,という視点で取り組んでみてください。実際の学習を体感できます。本当にこなせるか,無理はないか。
逆に,やってみたらこれひとりで出来るな,ということもあります。そういったことを冷静に見極めるためにも,申し込む前に『とりあえず学習を始めてみる』はおすすめです。
テキストの入手方法,比較方法
英語でも他の外国語でも,市販の教材を使っているスクール,レッスンは数多くあります。コース案内のサイトに利用テキストが掲載されていることも多いです。海外の出版社のテキストも,大抵Amazonなどで手に入ります。洋書の扱いの多い書店,東京なら丸善の丸の内本店や新宿のBooks Kinokuniya Tokyoなどは有名どころの輸入テキストは結構揃っています。実際に手にとって,まずはテキストをじっくり検討してみてください。
学校独自の教材を使っているところもあるでしょう。まずはダメ元で,テキストだけ先に買えないか聞いてみましょう。事前の購入が難しくても,ぜひ事前に教材サンプルをじっくり見せてもらってください。じっくりと,です。各ページを開き,それぞれの例文を自分がそれを読み上げ,練習している姿をしっかりイメージしてください。
学校独自の教材でテキストのみの購入ができない場合,NHKラジオ講座との比較もオススメです。検討するスクールの説明会など実際のテキストを見に行く前,ちょっと本屋に立ち寄ってみましょう。ラジオ講座はシリーズ初回からの(大抵4月か9月からの)バックナンバーがあることが多いので,対象言語のテキストをじっくり読んでみてください。その足で興味あるスクールでテキストを見せてもらうと,『本当にその講座でないとダメか』,そこそこちゃんと比較できたりします。
また,最近はスマホアプリなどを活用するスクールも多いですが,基本は同じです。実際のアプリを見せてもらい,本当にそこでしかできないものかを確認しましょう。
たとえば発音や音声は,スマホに音声を認識させれば無料で確認できます。Google翻訳アプリを入れ,音声認識機能をONにして外国語を読み上げると,Googleが認識した文章が出てきます。そこで自分が読んだ思いどおりの文章が出てくればOK,想定外の文章が出てくればそこが強化ポイントです。このような適切な判断をするためにも,事前に比較対象となりうる外国語学習ツールをある程度調べていくのも有益です。
スクール活用のタイミング
また,『通いどき』も少し考えておきましょう。どんな外国語も3ヶ月でペラペラに,といったことは(残念ながら)起きません。ある程度の長期戦になります。
ある程度知識のある言語なら,特定の弱点に集中して3ヶ月,といった受講も可能でしょうし,場合によっては有効です。しかし一般的には,一定の成果を感じるにはやはり時間がかかります。特に初学の言語をすべて授業でカバーすると,おそらく基礎を網羅するのに最低半年,大抵1年,言語によっては1年半から2年ほどかかると思います。
巷のスクールでも,1つの講座は3ヶ月から半年ほどでも初級I,初級II,中級I,中級II……などと続き,結局1年ほど通わないと内容が完結しないようになっていることはよくあります。外国語の習得には一定の時間がかかるので,当然のことです。
これをすべて受講すると,時間的にも金額的にも大きな負担となることがあります。特にお仕事やご家庭で忙しい方は,3ヶ月は通えても1年間後はわからない,という場合もあるのではないでしょうか。そこで考えておきたいのが『この長期戦,どのタイミングで最もサポートが必要か』です。
その意味でも,やはり上述の『まずは教材を買って学習を始めてみる』,もしくは単に『その外国語を独学で始めてみる』はかなり有効です。それにより,本当に必要なタイミングで受講するという,最もコストパフォーマンスのいい使い方ができます(問題意識を持って学べるのでより身につきやすい,という利点もあります)。
とはいえやはり初学の外国語,特にマイナー言語はやはり誰かに教えてほしい,という気持ちはとてもよくわかります。後日比較的安く始められ,コストパフォーマンスのよい方法をご紹介します。
如何でしたか?外国語スクール,弱点に焦点をあててうまく使えると有効ですが,同時に『この講座に行けばペラペラに!』といった過信(して,払いすぎること)もまた避けたいところです。やるべきところは自分でやり,払うべきところは払い,うまくバランスを取りたいですよね。一緒に頑張りましょう,Bon Voyage!